更新履歴(3件・最終更新 2026年08月02日)
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- 記事の冒頭に「この記事の知識マップ」節を追加しました。本文で扱っている概念とその関係を、要約・図・詳細ページへのリンクにまとめたものです。本文の主張は変えていません。
- 外部レビュー(1283件)への対応として本文を更新しました。個々の変更内容は、この下の履歴を参照してください。
- 補助率と従業員数別の補助上限額の表を追加しました(公募回で変わるため2026年7月時点の公式サイト記載である旨を明記しています)。申請から精算払いまでの流れを1枚の図にし、交付決定前の発注が認められないことと入金が最後になることを説明しました。ミラサポplusの注釈、件数×時間×移行率の空欄テンプレート、3つの補助金の使い分けも追加しました。
- 初版公開
この記事を引用する(DOI: 10.5281/zenodo.21590088)
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小村 豪(2026)「省力化投資補助金でFAX受注のWeb化はできるか ── 一般型を使う受発注システム投資の考え方」合同会社小村ソフト. https://doi.org/10.5281/zenodo.21590088 https://staging.comcomponent.com/blog/shoryokuka-subsidy-fax-order-web/
- DOI(最新版)
- 10.5281/zenodo.21590088
- DOI(この版)
- 10.5281/zenodo.21733049
「FAX受注をWebに移すには」では、FAX受注のWeb化を「FAXの廃止」ではなく「人が入力する注文の件数を減らすこと」として設計する段階移行の実務を整理しました。
この記事はその費用面の続編です。テーマは、この投資に補助金を使えるかです。
FAX受注のWeb化・自動取込は、性質としては「人手で行っていた入力作業をシステムに置き換える投資」です。これは、人手不足への対応を目的とする中小企業省力化投資補助金の考え方と方向が一致しており、なかでもオーダーメイドのシステムを対象にできる一般型が検討の候補になります。
ただし、「候補になる」と「採択される」の間には距離があります。この記事では、カタログ注文型と一般型の違い、受発注システムの開発が省力化投資としてどう位置づけられるか、そして申請前に確認すべき要件と注意点を、開発を受託する立場から整理します。
制度の要件・金額・スケジュールは公募回ごとに変わります。この記事は2026年7月時点の公開情報に基づくもので、実際の申請では必ず公式サイトの最新の公募要領を確認してください。
1.まず結論
- FAX受注のWeb化・CSV自動取込は、手入力工数の削減を定量的に示せるなら、省力化投資補助金(一般型)の検討対象になり得る
- ただし前提として、自社が現に人手不足の状態にあることを所定の基準で示す必要がある。人手不足の実態がない「単なる効率化」案件は対象にならない
- 投資規模にも下限がある。単価50万円(税抜)以上の機械装置・システム構築費を含む設備投資が必須とされており、少額の改修やツール導入だけの案件は申請できない(金額基準は公募要領で要確認)
- 既存の販売管理システムと連携するオーダーメイド開発は一般型。登録済みの既製品で足りるならカタログ注文型
- 審査の土台になるのは「どの作業が、月何時間、どう減るか」の積み上げ。移行計画の現状整理がそのまま使える
- 労働生産性・賃上げなどの要件と返還条項は経営のコミットメント。申請前に達成可能性を検討する
- 交付決定前の発注は対象外・補助金は後払いという共通ルールは、この制度でも同じ
- 補助金の有無にかかわらず、段階移行の設計(二重運用期間、マスタ整備)は省略できない
この記事の知識マップ
FAX受注の手入力をCSV自動取込やWeb受注に置き換える投資は、既製品では足りずオーダーメイドの開発が必要になるため、中小企業省力化投資補助金のうち一般型の検討対象になり得るが、これは申請者が現に人手不足の状態にあること、単価50万円以上という投資規模、労働生産性の向上目標、賃上げに関する目標といった要件を前提とする。とりわけ賃上げ目標は未達なら補助金の一部返還を求められることがある経営コミットメントであり、事業計画の根拠には受注1件あたりの時間×件数×移行率という形で手入力工数を定量化した積み上げが要る。この積み上げは段階移行計画のフェーズ0の現状整理がそのまま使え、交付決定は契約・発注より先に行われ、補助金の入金は検収後の精算払いとして最後になる。
flowchart LR
accTitle: 省力化投資補助金によるFAX受注Web化の知識マップ
accDescr: FAX受注のWeb化・CSV自動取込が中小企業省力化投資補助金の一般型の検討対象になり得ること、一般型が課す人手不足・投資規模・労働生産性・賃上げの各要件、交付決定と発注・精算払いの順序、フェーズ0の現状整理から積み上げる工数削減の定量化という関係を示す図
shoryokuka_general_type["中小企業省力化投資補助金(一般型)"]
fax_order_web_migration["FAX受注のWeb化(段階移行)"]
labor_shortage_requirement["人手不足の状態にあることの要件"]
investment_amount_floor["投資規模の下限(単価50万円以上)"]
labor_productivity_target["労働生産性の向上目標"]
wage_increase_target["賃上げに関する目標"]
subsidy_clawback["補助金の一部返還条項"]
grant_decision["交付決定"]
development_order["開発の契約・発注"]
reimbursement_payment["精算払い(後払い)"]
phase_zero_assessment["フェーズ0の現状整理"]
quantified_time_savings["工数削減効果の定量化"]
manual_input_workload["受注の手入力工数"]
staged_migration_plan["段階移行計画(FAX受注Web化)"]
shoryokuka_catalog_type["中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)"]
digitalization_ai_subsidy["デジタル化・AI導入補助金"]
minor_modification_only["少額の改修・ツール導入のみの案件"]
subsidy_rate_and_cap["補助率と補助上限額"]
fax_order_web_migration -.->|"推奨される対応"| shoryokuka_general_type
shoryokuka_general_type -->|"前提とする"| labor_shortage_requirement
shoryokuka_general_type -->|"前提とする"| investment_amount_floor
shoryokuka_general_type -->|"前提とする"| labor_productivity_target
shoryokuka_general_type -->|"前提とする"| wage_increase_target
wage_increase_target -.->|"原因になり得る"| subsidy_clawback
grant_decision -.->|"より先に行うべき"| development_order
development_order -->|"より先に行うべき"| reimbursement_payment
phase_zero_assessment -->|"推奨される対応"| quantified_time_savings
quantified_time_savings -->|"前提とする"| manual_input_workload
staged_migration_plan -->|"前提とする"| phase_zero_assessment
fax_order_web_migration -->|"利用する"| staged_migration_plan
shoryokuka_catalog_type -->|"用いるのは非推奨"| fax_order_web_migration
digitalization_ai_subsidy -->|"用いるのは非推奨"| fax_order_web_migration
minor_modification_only -->|"両立しない"| shoryokuka_general_type
shoryokuka_general_type -->|"で構成できる"| subsidy_rate_and_cap
fax_order_web_migration -.->|"前提とする"| quantified_time_savings
shoryokuka_general_type -->|"前提とする"| grant_decision
図の実線は常に成り立つ関係、破線は条件付きの関係です(成立条件は詳細ページの各関係の説明に記載)。関係すべての一覧(全18件、根拠・確度つき)と主要概念の定義は知識マップ詳細ページにまとめています。データ: JSON-LD / Turtle
2.カタログ注文型と一般型 ── どちらの話かを最初に区別する
中小企業省力化投資補助金には2つの類型があり、性質がかなり違います。受発注システムの話をする前に、ここを区別しておきます。
| カタログ注文型 | 一般型 | |
|---|---|---|
| 対象 | 事務局に登録された既製の省力化製品(券売機、自動倉庫、配膳ロボット等) | オーダーメイドの設備・システム、複数設備の組み合わせ |
| 自由度 | 登録製品から選ぶ | 自社の業務に合わせて構成できる |
| 手続き | 比較的簡易(販売事業者と共同申請) | 事業計画の作成を含む本格的な申請 |
| 受発注システム開発との相性 | 登録製品に該当するものがあれば | 既存システム連携・自社固有フローの開発はこちら |
FAX受注のWeb化で現実に必要になるのは、「FAX受注をWebに移すには」で整理したとおり、Web受注画面そのものよりも、CSV取込、既存の販売管理システムへの接続、商品・取引先マスタとの整合といった、自社の現状に合わせた作り込みです。この性質上、既製品のカタログから選ぶ方式には乗りにくく、検討の中心は一般型になります。
逆に、自社の要件が登録済みの受発注製品やOCR製品でそのまま満たせるなら、手続きの軽いカタログ注文型やデジタル化・AI導入補助金(事務局に登録された既製のITツール・クラウドサービスの導入を対象とする制度)で足ります。3つの使い分けを1行にすると、次のようになります。
- 登録された既製の省力化製品(機器・設備)を入れれば済む → 省力化投資補助金のカタログ注文型
- 登録された既製のITツール・クラウドサービスを入れれば済む → デジタル化・AI導入補助金
- 既存システムとの連携や自社固有の業務フローに合わせた作り込み(オーダーメイド)が必要 → 省力化投資補助金の一般型
オーダーメイドは、既製品で足りないことを確認してからという順番は、補助金を使う場合も変わりません。制度全体の使い分けは「システム開発の外注に補助金は使えるか」で整理しています。
3.FAX受注のWeb化は「省力化投資」として説明できる
省力化投資補助金の目的は、人手不足に対応するため、デジタル技術を活用した設備・システムで人が行っていた作業を減らすことです。FAX受注の手入力は、この枠組みにきれいに当てはまる業務です。
- 注文書を見ながらの転記入力 → CSV取込・Web受注による自動登録に置き換わる
- 読み間違い・入力ミスの確認と訂正 → 機械的な検証(コード照合、数量チェック)に置き換わる
- 「届いたか」の確認電話への応対 → 受注確認の自動応答に置き換わる
重要なのは、これを定性的な「効率化」ではなく、時間の積み上げで示すことです。
現状: 受注1件あたりの入力・確認時間 平均8分 × 月1,200件 = 月160時間
計画: 上位取引先(件数の7割)をCSV取込・Webへ移行
効果: 月160時間 × 0.7 = 月112時間の手入力作業を削減
(残る3割のFAX分 月48時間は当面継続)
※数字は説明用の例です。
自社の数値を当てはめるときは、次の空欄を埋めるだけで同じ形の積み上げになります。
【現状】
受注1件あたりの入力・確認時間 ______分
× 月間の受注件数 ______件
= 現状の手入力工数 ______時間/月
【移行率】
Web受注・CSV取込へ移す取引先の受注件数比率 ______%
(取引先別の受注件数を多い順に並べ、上位何社までを移すかで決める)
【効果】
現状の手入力工数 ______時間/月 × 移行率 ______%
= 削減できる手入力工数 ______時間/月
残る手入力工数 ______時間/月 は、当面FAX・電話のまま継続
「1件あたりの時間」は、勘で置かずに数日分でも実測してください。この1つの数字が事業計画の根拠全体を支えるため、審査でも社内の合意形成でも、いちばん問われるところです。
この積み上げを作る材料は、移行計画の記事で挙げたフェーズ0の現状整理(取引先別の受注件数・チャネル・入力時間の一覧化)そのものです。つまり、補助金を使うかどうかにかかわらず必要だった現状整理が、そのまま事業計画の根拠資料になります。補助金のために特別な資料を作るというより、移行計画をきちんと作ると申請の材料がそろう、という関係です。
このとき、段階移行の設計と矛盾しない計画にすることも重要です。全取引先を一斉にWebへ移す前提の「理想値」で削減効果を盛ると、計画の実現性が疑われるだけでなく、達成できない目標を自分で背負うことになります。二重運用期間が残る前提の、現実的な削減量で計画するべきです。
4.申請前に確認すべき要件 ── 賃上げは「書類の記載事項」ではない
要件の話に入る前に、投資判断に直結する補助率と補助上限額の目安を押さえておきます。公式の制度説明に掲載されている値は次のとおりです。
| 区分 | 補助率 |
|---|---|
| 中小企業 | 1/2 |
| 小規模企業者・小規模事業者、再生事業者 | 2/3 |
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅な賃上げを行う場合 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
この金額は公募回によって変わります。上記は2026年7月時点で公式サイトに掲載されている値であり、実際の申請では必ず最新の公募要領で確認してください。「大幅な賃上げを行う場合」は、賃上げの基本要件(同ページの記載では1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%)にさらに上乗せして合計+6.0%以上を達成する場合を指します。上限額が引き上げられる代わりに、達成義務もその分重くなります。
既存の販売管理システムを残したまま受注の入口を追加する構成であれば、投資額が上限に届くことはまずありません。つまり、この規模の案件で効いてくるのは上限額よりも補助率のほうです。中小企業の1/2であれば、補助対象と認められた経費の残り半分は恒久的な自己負担として残りますし、補助対象外と判定された経費はさらにその外側で全額自己負担になります。この前提で投資判断をしてください。
一般型には、省力化の効果だけでなく、事業全体に関する基本要件があります。公式の制度説明および公募要領で示されている枠組みでは、次のような内容が求められます(数値・詳細は公募回で変わるため必ず最新の公募要領で確認してください)。
- 申請者が現に人手不足の状態にあること(残業時間の状況、求人を出しても採用に至らない状況、従業員数の減少など、公募要領所定の基準で示します)
- 単価50万円(税抜)以上の機械装置・システム構築費を含む設備投資であること(小規模な改修や少額ツールの導入だけでは、投資規模の基準を満たしません)
- 労働生産性を一定の年平均成長率で向上させる事業計画
- 賃上げに関する目標(公募回により、給与支給総額や1人当たり給与支給総額の増加率など、使われる指標・数値が異なります。申請時に設定した目標が未達の場合、達成度に応じた補助金返還の条項があります。天災等の免除規定あり)
- 事業場内最低賃金の水準に関する要件
最初の「人手不足の状態にあること」は、省力化効果の定量化とは別の独立した入口要件です。手入力の工数削減を示せても、人手が足りている(採用や残業の面で人手不足の実態を示せない)場合は、この制度の対象事業として成り立ちません。その場合は、目的の近い他の制度や自治体の助成金を検討することになります。
注意すべきは、賃上げ目標に返還条項が付いている点です。どの指標を使うかは公募回で変わりますが、いずれの場合も、申請時に自社で設定・表明した目標に対して未達の判定が行われます。これは「申請書にそう書いておく」類のものではなく、数年間の賃上げを実行するという経営のコミットメントです。省力化で生まれた余力を賃上げに回すという制度の設計思想なので、方向としては自然ですが、自社の収益計画で現実的に達成できるかは申請前に冷静に検討する必要があります。
このあたりの判断は開発ベンダーの領分ではありません。商工会議所、よろず支援拠点、中小企業診断士などの支援機関・専門家、またはミラサポplusなどの公的情報で確認してください。ミラサポplusは、中小企業庁が運営する中小企業・小規模事業者向けの支援情報サイトで、補助金・助成金の概要や支援機関の探し方がまとまっています。
5.スケジュールと開発の進め方
省力化投資補助金でも、補助金共通のルールはそのまま適用されます。
- 交付決定前に契約・発注した経費は補助対象外
- 補助金は精算払い(後払い)で、開発費は全額立て替え
- 事業実施期間の期限までに検収・支払いを完了し、実績報告を行う
時系列に並べると、位置関係はこうなります。
flowchart TD
A["申請準備<br/>現状整理・見積取得・事業計画づくり"] --> B["公募締切・審査"]
B --> C["採択発表"]
C --> D["交付申請"]
D --> E["交付決定<br/>ここから発注できる"]
E --> F["契約・発注"]
F --> G["開発"]
G --> H["検収・支払い<br/>事業実施期限までに完了させる"]
H --> I["実績報告"]
I --> J["精算払い<br/>補助金の入金はここ"]
見るべき点は2つです。1つは、交付決定より上にある工程で契約・発注をしてしまうと、その経費は補助対象外になること。採択発表は「事業計画が選ばれた」という通知にすぎず、まだ発注できません。もう1つは、補助金の入金が最後尾にあることです。開発費の支払いは検収の直後に発生しますから、そこから入金までの期間は全額を自社で立て替えることになります。
したがって開発スケジュールは、希望稼働日からではなく、交付決定日(発注可能日)と事業実施期限(検収・支払いの完了期限)の2点から逆算して組みます。逆算の具体的な考え方と、交付決定前にできる準備(要件整理・見積取得・事業計画づくり)については「補助金を使うシステム開発の進め方」で詳しく整理しています。
FAX受注のWeb化に固有の注意点を1つ挙げるなら、補助事業の期間内に完了させる範囲の切り方です。段階移行は本来、パイロット→展開→定着と年単位で進む取り組みです。一方、補助事業には実施期間の期限があります。そこで、
- 補助事業の範囲:CSV取込・Web受注の仕組みの構築、販売管理システムへの接続、パイロット取引先での稼働まで
- 補助事業の後:取引先の順次移行、チャネル別件数の測定、FAX比率の縮小
のように、「仕組みの完成と初期稼働」までを補助事業として区切り、取引先展開はその後の運用として計画する切り分けが現実的です。事業計画上の効果測定(チャネル別受注件数、手入力時間)は移行計画の測定項目と同じものが使えるため、開発時点で件数・時間を記録する仕組みを組み込んでおくと、補助事業の効果報告と移行の進捗管理を同じデータで行えます。
6.よくある誤解と注意点
| 誤解・つまずき | 実際 |
|---|---|
| 「補助金が出るから全面刷新しよう」 | 補助率を除いた自己負担と稼働後の保守費は残る。受注の入口だけを追加する構成(既存システムを残す考え方)のほうが投資も移行リスクも小さいことが多い |
| 「申請すれば通る」 | 一般型は事業計画の審査を伴う競争的な制度。省力化効果の根拠と要件達成の実現性で評価される |
| 「採択されたので開発開始」 | 発注できるのは原則、交付決定の後。フライング発注は対象外になる |
| 「賃上げ要件は書類上の話」 | 未達時の返還条項がある。数年間の経営コミットメントとして判断する |
| 「効果は『効率化』と書けばよい」 | 「どの作業が月何時間減るか」の積み上げが必要。現状の作業時間の測定から始める |
| 「補助金の分、安く作れる」 | 補助金は後払い。開発費は全額立て替えるため、資金繰り計画は補助金なしの場合と同じに組む |
まとめ
- FAX受注のWeb化・CSV自動取込は、手入力工数の削減という省力化効果を定量的に示せるなら、省力化投資補助金(一般型)の検討対象になり得る
- 既製品で足りるならカタログ注文型やデジタル化・AI導入補助金、既存システム連携を伴うオーダーメイドなら一般型、という順で検討する
- 事業計画の根拠は、移行計画のフェーズ0(取引先別の件数・チャネル・入力時間の整理)がそのまま使える
- 労働生産性・賃上げの要件と返還条項は経営のコミットメント。指標・数値は公募回で異なるため、最新の公募要領で確認したうえで申請前に達成可能性を検討する
- 交付決定前の発注は対象外・補助金は後払い。スケジュールと資金繰りは逆算で組む
- 補助事業として区切るのは「仕組みの完成とパイロット稼働」まで。取引先展開は運用として続ける
補助金は、やるべき投資を後押ししてくれる制度ですが、投資判断そのものを代わりに行ってくれるわけではありません。FAX受注のWeb化が自社にとって必要な投資かどうかをまず段階移行の設計で確かめ、その計画に制度が合うなら使う、という順番が健全です。
受発注システムの省力化投資をご検討の方へ
合同会社小村ソフトでは、既存の販売管理システムやWindows業務アプリを活かしたCSV取込・Web受注連携の設計・実装をお受けしています。補助金の利用を検討されている場合は、申請に必要な見積書・システム構成図・工数削減試算の根拠づくりに協力し、交付決定後は事業実施期限から逆算した開発計画をご提案します。
当社は申請代行や採択可否の判断は行っていませんが、「そもそもどこまでを開発すべきか」「既存システムを残せるか」という投資範囲の整理は、まさに開発側の相談範囲です。現状の受注チャネルの棚卸しから、お気軽にご相談ください。
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省力化効果の試算方法、二重運用期間を含む移行計画、開発範囲が補助金ありきで過大になっていないかの確認は、設計レビューを伴う技術相談の範囲だからです。
よくある質問
この記事のテーマについて、相談時によくある質問をまとめています。
- FAX受注のWeb化は省力化投資補助金の対象になりますか?
- 制度の目的である「人手不足への対応」に沿って、手入力工数の削減効果を定量的に示せる場合、一般型の検討対象になり得ます。ただし、申請者が現に人手不足の状態にあることを所定の基準で示すことが前提で、実際に対象になるかは事業計画全体と公募要領の要件(人手不足の状態・労働生産性・賃上げ等)への適合で決まります。採択を保証するものではないため、公募要領を確認のうえ、必要に応じて支援機関に相談してください。
- カタログ注文型と一般型はどちらを選べばよいですか?
- カタログ注文型は、事務局に登録された既製の省力化製品を選んで導入する方式で、手続きが比較的簡単です。一般型は、自社の業務に合わせたオーダーメイドの設備・システムを対象にでき、既存の販売管理システムとの連携が必要な受発注システムの開発はこちらが候補になります。登録製品で足りるならカタログ注文型、既存システムとの接続や自社固有の業務フローへの対応が必要なら一般型、という順で検討するのが自然です。
- 賃上げ要件を満たせるか不安です。申請すべきでしょうか?
- 省力化投資補助金(一般型)には、労働生産性の向上に加えて賃上げに関する目標の設定が求められ、申請時に設定した目標が未達の場合に補助金の一部返還を求められる場合があります。賃上げ目標に使われる指標(給与支給総額、1人当たり給与支給総額など)や数値は公募回によって異なります。これは経営としてのコミットメントであり、単なる申請書類の記載事項ではありません。要件の詳細と返還条件を最新の公募要領で確認し、自社の収益計画で現実的に達成できるかを、申請前に検討してください。判断に迷う場合は商工会議所や中小企業診断士等の専門家への相談をおすすめします。
- 補助金を使う場合、開発はいつから始められますか?
- 原則として、交付決定日より前に契約・発注した経費は補助対象外です。採択発表と交付決定は別の手続きで、発注できるのは交付決定の後です。ただし、要件整理、業務フローの棚卸し、見積の取得、事業計画づくりは交付決定前に進められます。むしろ申請前にここを固めるほど、計画の説得力と交付決定後の立ち上がりが良くなります。